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父さんの声を聴かせて

ここ暫くのあいだ、僕は『マイクロカセットレコーダー』を探していた。レトロ感漂う昭和の時代の遺物だ。ヤフオクで何度も見つけ何度も入札したのだけれど、いつも締め切り時間ギリギリに僕の入札金額を少しだけ上回る高値更新があり、ずっと落札できなかった。必死になって探していたが、僕は初めから入札金額の上限を決めていたし、見ず知らずの誰かさんと競ってまで手に入れようとは思っていなかったので、結局、落札するまで随分と時間がかかってしまった。

父の声03
■ 何と発売当時の箱入りで取説まで付いているなかなかの逸品でした。

それは、我が家で粛々と行われてきた「 部屋の整理整頓と共に、生活に調和をもたらそうとする動き(断捨離の事だが…)」 の副産物として見つけた4本の古いカセットテープが発端だった。普通、古いテープが出てきたところで、そのテープを捨ててしまって、あぁスッキリした!と終わる話なのだが、その4本のテープに録音されているであろう音源は、ビートたけしのオールナイトニッポンをエアチェックしたものでも、僕が選んだ Seiko Matsuda ベストヒット でもなく、20年前に亡くなった父親の肉声が録音されているかもしれないテープだったので、再生する機械を必死に探すことにしたのだ。

4本の内 2本は、普通の大きさのカセットテープで、以前、 ときめきカセット という題名でお話ししたように、CDラジカセを購入して聴いてみたところ、2本とも法事の読経が延々と録音されているカセットだった。あれから何度か聴いてみたのだけれど、やはり父の声は録音されていなかった。

残る2本は、マイクロカセットテープだ。普通のテープの4分の1程度の小型のカセットである。当時(というのは昭和の時代)会議やメモ録などに使うため小型化されたテープで、電話の留守電録音用などにも使われていたものだ。この小型のテープを再生するためのマイクロカセットレコーダーは、ラジカセと比べると普及率が低くオークションの出展数も極めて少なかったので、それはそれで大変だったのだけれど、おかげさまでこうして我が家に届いたのだ

…早速、テープを挿れてみる。
再生ボタンを押して、音量をMAXにしたのだが、元々の録音レベルが低いらしくゴニョゴニョ、ゴニョゴニョ聴こえるだけで、誰の声かも何を話しているのかも全くもってわからない…。ぐずん。
 ↓↓↓
父の声01

ならば、パソコン用のスピーカーで増幅しようと接続してみた。
新旧入り乱れてのコラボレーションだ! これはこれで何だか美しい…。
そして、良ーく聴こえるのだ!!
 ↓↓↓
父の声02

この小さいカセットには、父の筆跡で録音した日付と内容が書かれていた。
それは、父が今の僕くらいの歳だった頃の日付であり、内容は僕が携わる仕事でも時々出てくる難しいものだった。…そう、いま僕は父が就いていた仕事と同じ仕事を生業にしている。
そして時折僕も大切な打合せをiPhoneのボイスレコーダーを使って録音し、再生し、メモを取ったりしている。もしかしたら今の僕は、当時の父と同じような事を考え、悩み、実行しているのかもしれないと思うと、過ぎ去った時間を遡り、父の声を聴いてみたくなる…。

はたして父の声は録られているのだろうか…。

この小さなカセットを再生するためにいろいろと準備をしてきたので、聴きたいと云う気持ちがどんどん高まってきたわけだけれど、そのなかで僕はこう思った。
たとえこの小さなカセットに父の声が録られていなかったとしてもいいじゃないかと…。
それは、残念だが仕方がないことなのだ。
実際の結果よりも、ここ暫くのあいだ、ワクワク・ドキドキと過ごせたことが、亡き人を近くに感じながら過ごせたことが、実は一番嬉しいことなのだと。

同時にこうも思った。
今までだって、目を閉じて語りかければその声を近くに感じることができたではないかと。
行き詰ったときや人生の岐路に立ったとき、亡き父に語りかけその声を聴いてきたではないかと。

「お前の信じる道を歩みなさい。
 それが一番たいせつなことだぞ。」

奇しくも今日は父の命日だ。
耳を澄まして聴いてみようと思う。
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